2024年1月16日話し上手になるために、事前にしっかりと考えよう!
★受講生のスピーチの改善例
少し前の2日間集中コースでこんなことがありました。
受講生のMさんはスピーチ実習で次のようなスピーチ原稿を考えました。
- D社に新規営業の電話をかけ続けている
- D社の担当のSさんはいつも面倒くさそうな対応で、面談のアポイントがなかなか取れない
- ある日、D社に電話をかけたところ、取り次ぎの人が保留にしなかった
- 「Sさん、Mさんから電話ですよ」「おお!Mさんからか。出るよ!」という声が聞こえてきた
- 私(Mさん)はずっとSさんに煙たがられていると思っていた
- しかし何度も電話をして話しているうちに、Sさんが私に親しみを感じてくれていたことがこの会話で分かった
- 思い切っていつもより大胆に面談をお願いしたら、アポイントが取れた
Mさんはこのスピーチのテーマを『アポイントメントが取れて良かった』としました。
私は「なるほど。でも、もう少し深く考えると、この話から言いたいことが他にも幾つか出てくると思いますよ」と告げて次のような例を示しました。
- 継続は成功につながる
- 人は自分が思うほど人を拒否しない
- 時には少し厚かましくなろう
- 相手の真意を読み取る努力をしよう
私の話を聞いたMさんは、すぐに「ああ、そうです!私はこの時、やり続けることが大事だな、と思ったんです」と言って、テーマを『やり続けることが成功につながる』に修正されました。
そして、このテーマに沿って原稿を見直し、とても聞き応えのあるスピーチをされました。
★『話すことは考えること』
Mさんは、このコースに、あがり症を治して人前で堂々と話せるようになりたい、という思いで参加されました。
同じ思いで受講されている人は大勢います。
そして、こうしたことを改善したいと考えている人は、『上手に話すテクニック』を身につけたいと思っている人がほとんどです。
しかし、あがりを抑えて堂々と話すためには、テクニック以上に大切なことがあります。
それは話す前にしっかりと『考える』ことです。
日本話し方センターには『話すことは考えること』という考え方があります。
自分が話す内容に納得できれば、自信を持って話すことができます。
そのためには、話す内容を事前にしっかりと考える必要があるのです。
★話の内容をしっかりと考える
話すことに苦手意識がある人は、話す前に十分に考える、ということをおろそかにしている人が多いです。
聞いている人を惹きつける話にするには、
①見たことや聞いたことについて、何を感じたか、なぜそうなったのかなどを考える
②その感じたこと、考えたことを話す
ということが必要です。
見聞きしたことについて何を感じたか、考えたか。
それについて何を聞いている人に伝えたいこととするか。
いくら上手に話すテクニックを身につけても、話す内容をしっかり考えなければ聞いている人に伝わる話にはなりません。
また、事前にしっかりと考えて、自分が心から納得できる内容にできれば、話す際にあがったり言葉に詰まったりすることが少なくなります。
自分で納得できることは、積極的に「話したい」という気持ちになるからです。
あがり症を克服するためにも話す前にしっかりと考えることが大切なのです。
★自分の話に自信を持つ
前述のMさんは、原稿を作った当初は「こんなスピーチでいいのかな」と自信が持てなかったそうです。
つまり、スピーチ原稿を考えたけどMさんの納得感は今一つだったのです。
そういう気持ちのままスピーチをしても、自信を持って話すことはできません。
「つまらない話と思われているのではないか」という恐れにつながり、緊張が高まってあがってしまうからです。
しかし、自分で「これだ!」と納得できる主張を軸に話をすれば、気持ちが前向きになって迫力のある話し方になります。
その分あがり症は抑えることができます。
テクニックを身につけることも必要ですが、話す上では気持ちの持ち方がより大切です。
そしてそのためには話す前にきちんと考えることがとても重要なのです。
★考えるスキルを身につけませんか?
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、話す前に何をどのように考えればよいか、講義と実習で受講生一人ひとりに応じたご指導をしています。
「目から鱗が落ちました!」と仰る受講生も少なくありません。
ぜひご受講ください!